ビジネスキットも商品も届き、いざ勧誘活動がスタート!
このまえの金融セミナーにあれだけ老後不安の人がいるんだもの。友達もみんな似たように不安に違いないわ。きっとうまく行くはず!
京子とそのアップラインからやり方の説明も受け、まずは100人リスト!
LINE、メルアドにある五十音順に上からドンドン連絡を取ることにした。
「突然ネットワークビジネスの話をしてはダメよ、まずは最近どう?ってきいて、後はランチに行ったりしながら、相手の様子を探ってみて。
相手が将来の不安を話したら、『合わせたい人がいる』って言って、まずは私やアップに紹介してね。まだうまく説明できないうちは、なつみは話をしなくていいから。」
京子がいるから大丈夫。
「最近どう?元気してる(^^)」
LINEに同じ文面で一斉に送信した。京子があの日、なつみを誘ったように。
~数日後~
「京子聞いて!娘が中学の頃のママ友とランチに行ってね、やっぱりパートだけじゃ大変なんですって、仕事のお話があるのよーって声かけたら、聞きたいって言ってくれて。今度一緒に会ってくれないかな?」
なつみは、順調にLINEで昔の友達とやり取りをしていた。
「数人と近況報告しながら、やっぱり将来の不安とか、職場の愚痴とか聞けてさ~。みんな不安は一緒だよね。『女を続けるか、女を辞めるか』って。40代人生の折り返し地点だからね。なんだか上手くいきそう~」
前回京子と会ったカフェで、お茶をすることに。京子は更なるアップラインを連れて来ていた。
京子とアップは世間話をしながら、ママ友の最近の不安など聞きつつ、権利収入の話をはじめ、ついに『ネットワークビジネス』という言葉が出た時、ママ友の表情が一瞬曇った。
その表情を、なつみは見逃していた。
ママ友は終始笑顔でその場を過ごし、なつみにも感謝の意を述べて帰っていった。
「なつみ、きっとあの人ビジネスに興味がありそうだから、セミナーに誘ってみて(^^)/次回のセミナーもこの前のビルのN社のサロンであるから」
そう京子からLINEが来た。なつみは早速ママ友にLINE。
「分かった!来週の土曜日だね!了解(^^)/」
やった!ついに私にもダウンが出来るんだ~♪私も京子みたいにキラキラ女性として輝くんだ!40代だからって、オバサンで終わるの訳にはいかないんだから!
~翌日~
やり取りがあった娘の学校関係のママ友たちが、急に静かになっていった。「あれ?どうしたのかしら・・・」LINEしても既読スルー。既読にならない。不安がよぎる。
昨日のママ友はセミナーにも来るって言ってるし!きっと大丈夫、大丈夫だよね?
そう自分に言い聞かせ仕事に仕事に向かった。
~セミナー当日~
昨夜はママ友と待ち合わせ時間を確認し、朝を迎えた。
待ち合わせ時間より早く着いた京子となつみは、これからのなつみの将来のやりたい事で話がもりあがった。
待ち合わせ時間を過ぎても、ママ友は現われない。
「あれ、どうしたのかしら。電話してみる」そういって電話するモノの、コール音すらならなかった。LINEも既読にならない。
会場にママ友が訪れる事はなかった。
~それからしばらくして~
娘の学校の同窓会の件で連絡が回ってきたので、しばらく連絡していなかったママ友へLINEで連絡をした。
まさかこんな展開になっているとは、なつみは思いもしなかった。
「ねえ、加藤さん!最近何か始めたの??なんだか変な噂を聞いちゃって・・・。気になってて、加藤さんには言わないでって言われたけど、黙っておくのもなって思って言うんだけど。」
え?!変な噂って??
「いや、なんか詳しくは言えないけど。加藤さん、悪いことは言わないから、あまり怪しいビジネスはやらない方がいいよ!心配になっちゃって。皆最近、連絡とらない事にしようなんて言ってて。私は加藤さんの事知ってるから、悪いものじゃないとは思うけど・・・」
なつみの背筋が凍った・・
そういえば、もう、先日セミナーに誘ったママ友とは、一切連絡が取れなくなっていた。
今日のワンポイントレッスン
誰かれ関係なく勧誘して、嘘や大げさな話をして大金を巻き上げ、トップだけが儲かって被害者が続出するようなイメージだよね。
今はそんな会社、まずない。あったらすぐに行政処分だ。
日本人は特に押されるのが嫌いだから、プル型のほうが成功しやすい。またはミックス型が良い。
あなたは営業されるのが嫌いですよね?
なぜかというと、営業されると不必要なものを売りつけられそうな気がするからです。ネットワークビジネスの勧誘も同じです。
お客さんにとっていらないものを押し付けられそうな気がするから嫌がられます。
今までのネットワークビジネスのマーケティングは「押し」一辺倒でした。でもこれからは「引き」「惹き」を組み合わせたハイブリッドなマーケティングを使うべきです。
それが私たちが行っている、押しと惹き、オンラインとオフラインを融合させた「惹き寄せマーケティング」なのです。