加藤なつみ、42歳。
横浜のマンションに住む兼業主婦。2歳年上の優しい夫と、高校生の娘。大きな刺激はないけれど、平凡で幸せな日々を送っていた。
「ふぅー。今日もやっと仕事が終わったわ。夕飯の買い物して帰らなきゃ。」駅に向かい歩きながら、帰宅ラッシュの混雑した車内に乗り込む。
混み合う電車も慣れたとはいえ、毎日は辛い。思えば、この通勤も娘が小学校にあがって以来もう10年も続いている。
「40代。女性としての価値が落ちる一方って言うわよね・・・最近エステもいけてないし、お洒落もしなくなったなぁ」
家事、育児、仕事と忙しすぎて、自分の時間、精神的なゆとりがない毎日。
主人と自分の収入では、教育費、老後資金を考えると、そんな贅沢もできないし。今の生活がやっとで将来の生活を考えると年金問題もあるから不安よねぇ。
そう思って派遣で働き始めたものの。お給料は上がらず、ボーナスもないまま10年もたってしまったなぁ。その後の両親の介護も考えると・・
たいした貯金もできず、来年に控えた娘の大学受験に向けて今までただ頑張ってきた私・・・
自分の人生だけど、「自分らしさ」って何だったのかしら。。
隣の奥さんを見ていると、ご主人の収入がいいのか、エステに買い物三昧。
そんな生活、「愛情さえあれば今が幸せ!」って思っていたけど、
私だって「女」やっぱりお洒落して、エステ行って、たまには海外旅行に行って、羽を伸ばしたいわ~
お金、女の魅力、美肌、刺激がない今。このまま人生を終わりたくない!
とはいえ、私も42歳・・・体力的にも毎日の通勤はしんどいし、定年の60歳まであと18年働くなんてなんだか想像もつかない。そもそも嫌だわ・・。
年金は70歳までもらえないとなると、空白の10年間分も貯金ないなぁ。結局は働き続けないといけないのよね。
なつみの脳裏には、エステに行き、ゆったりとしたラウンジでランチをし、ショッピングを楽しむ、優雅な自分が一瞬浮かんだ。
「横浜駅、横浜駅」
駅に到着し、我に返る。
危ない!乗り過ごすところだったわ!!
我に返り、足早に電車を降り、いつものスーパーに足を向けた。
今日のワンポイントレッスン
ペルソナってのはだな、簡単に説明すると、実際に自社の商品やサービスを使ってくれるであろうモデルユーザー(ペルソナ)を作り出し、そのユーザーのニーズを満たすような形で商品やサービスを設計するというマーケティング手法のことだ。
たとえば、この小説だと「加藤なつみ46歳。子供2人。兼業主婦」という設定になっているだろ?
そうすることで、より具体的なアプローチが出来るから、相手の心にぐさりと突き刺さる営業トークが出来るわけだ。
あなたはどんな人と一緒にビジネスをやりたいですか?誰の助けになりたいですか?
リクルートで成功するための第一歩は、あなたのパートナーとなる相手の絞り込み(ペルソナ設定)と、その人の悩み問題不安や、希望をプロファイリングすることなのです。
手あたり次第、誰でもいいから声をかける、と言うやり方はもう時代遅れなのです。